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纏わりつく

  • 執筆者の写真: ☪
  • 2021年3月4日
  • 読了時間: 1分

腕を上げると胞子が舞った

錦糸のような物が身体中張り巡らせられている

上半身を起こすと布団も持ち上がった

菌糸は部屋中を飲み込んでいた

いつこうなったのか、思い出せない

力を抜くとすぐに倒れ込んだ

メキメキと菌糸が侵食する音だけが聞こえている

声を出そうとすると

舌にも菌糸らしきものがあり、漏れるのはおおよそ声とは似つかない隙間風の音

瞬きした間に瞼が塞がる

糸は脳にも侵入してきたようだ

このまま苗床となっても仕方ない

そんな諦めがあり

眠りについた

菌糸の成長の音が心地よい

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